コネクタの基本性能

コネクタの基本性能は、機械的性能、電気的性能、環境的性能の3つの主要なカテゴリに分類できます。もう一つの重要な機械的性能は、コネクタの機械的寿命です。機械的寿命は、実際には耐久性指標です。国家規格GB5095では、機械的動作と呼ばれています。これは、1回の挿入と1回の抜き取りを1サイクルとして定義し、判断基準は、指定された挿入と抜き取りサイクルの後、コネクタがその接続機能（接触抵抗値など）を正常に完了できるかどうかです。

1. 機械的性能：接続機能の観点から、挿入力と抜去力は重要な機械的性能です。挿入力と抜去力は、挿入力と抜去力（抜去力は分離力とも呼ばれます）に分けられ、2つの要件は異なります。関連規格では、最大挿入力と最小分離力の規定があります。これは、使用の観点から、挿入力は小さく（したがって、低挿入力LIFおよびゼロ挿入力ZIF構造があります）、分離力が小さすぎると、接触の信頼性に影響を与えることを示しています。コネクタの挿入力と抜去力、および機械的寿命は、接触部の構造（法線圧力の大きさ）、接触面のコーティングの品質（摺動摩擦係数）、および接触配置の寸法精度（アライメント）に関連しています。

2. 電気的性能：コネクタの主な電気的性能には、接触抵抗、絶縁抵抗、および誘電体強度が含まれます。
① 接触抵抗：高品質の電気コネクタは、低く安定した接触抵抗を持っている必要があります。コネクタの接触抵抗は、数ミリオームから数十ミリオームの範囲です。
② 絶縁抵抗：これは、電気コネクタの接触片間および接触片とハウジング間の絶縁性能を測定するための指標であり、そのオーダーは数百メガオームから数千メガオームです。
③ 誘電体強度または耐電圧、誘電体破壊電圧は、コネクタの接触片または接触片とハウジングが定格試験電圧に耐える能力を表す特性です。
④ その他の電気的性能：電磁干渉漏洩減衰は、コネクタの電磁干渉シールド効果を評価するために使用されます。電磁干渉漏洩減衰は、一般的に100 MHzから10 GHzの周波数範囲でテストされます。RF同軸コネクタの場合、特性インピーダンス、挿入損失、反射係数、電圧定在波比（VSWR）などの電気的指標もあります。デジタル技術の発展により、高速デジタルパルス信号を接続および伝送するために、新型のコネクタである高速信号コネクタが登場しました。対応して、電気的性能の観点から、特性インピーダンスに加えて、クロストーク、伝送遅延、スキューなどの新しい電気的指標も登場しました。

3. 環境的性能：一般的な環境的性能には、耐熱性、耐湿性、耐塩水噴霧性、耐振動性、耐衝撃性などがあります。
① 耐熱性：コネクタの最大動作温度は200℃（一部の高温特殊コネクタを除く）で、最低温度は-65℃です。コネクタの動作時に接触点で熱が発生し、温度上昇を引き起こすため、一般的に、動作温度は周囲温度と接触点での温度上昇の合計と等しくなるはずです。一部の仕様では、定格動作電流下でのコネクタの最大許容温度上昇が明確に規定されています。
② 耐湿性：湿気の侵入は、コネクタの絶縁性能に影響を与え、金属部品を錆びさせます。定常湿熱試験条件は、相対湿度90％〜95％（製品仕様によると最大98％）、温度+40 ± 20℃であり、試験時間は製品によって指定され、最短96時間です。交互湿熱試験はより厳しいです。
③ 耐塩水噴霧性：コネクタが湿気と塩分を含む環境で動作する場合、金属構造部品と接触片の表面処理層が電気化学的腐食を起こし、コネクタの物理的および電気的性能に影響を与える可能性があります。この環境に耐えるコネクタの能力を評価するために、塩水噴霧試験が規定されています。これには、温度制御された試験チャンバーにコネクタを吊り下げ、指定された濃度の塩化ナトリウム溶液を圧縮空気で噴霧して塩水噴霧雰囲気を作成することが含まれます。暴露時間は製品によって指定され、最短48時間です。④ 耐振動性と耐衝撃性 耐振動性と耐衝撃性は、電気コネクタの重要な性能特性であり、特に航空宇宙、鉄道、道路輸送などの特殊な用途環境において重要です。これらは、電気コネクタの機械構造の堅牢性と電気的接触の信頼性をテストするための重要な指標です。関連する試験方法には、明確な規定があります。衝撃試験では、ピーク加速度、持続時間、衝撃パルス波形、および電気的連続性の中断時間を指定する必要があります。
⑤ その他の環境的性能 使用要件に応じて、電気コネクタのその他の環境的性能には、シーリング（空気漏れ、液体圧力）、液体浸漬（特定の液体での劣化に対する耐性）、低気圧なども含まれます。